脂肪を燃焼するためには、ウォーキングやランニングを思いつく人は多いのではないでしょうか。
これらのいわゆる有酸素運動は脂肪燃焼させるためにとても有効です。

 調子が良いときは「ラストスパートで倒れるところまで頑張ろう」「今日はいつもよりペースを上げて追い込もう」などと思うことがあるでしょう。それ自体は決して悪いことではありませんが、「脂肪燃焼」のことを考えると、効率的とは言えないのも事実なのです。

どんどんスピードを上げていけばより多くの脂肪が燃焼するかというと、そういうわけではないのです。脂質をエネルギーとして消費する割合は安静時が約8割、ウォーキング時が約5割でしたが、ランニング、ダッシュになると、約3割、約2割と減っていってしまいます。消費カロリーは上昇しても脂質が使われる割合が低下し、どこかの時点で「速度を上げないほうが脂肪が燃焼するポイント」が現れるわけです。

 無駄なく効率的に脂肪燃焼させるためには、
「脂肪燃焼に適した強度」で有酸素運動を行うことが大切です。

では脂肪燃焼に適した強度の指標になるものは何か。

 そこでキーとなるのは「心拍数」。

220から年齢を引いた数である程度推測できるとされている「最大心拍数」から安静時の心拍数を引いて0.6~0.8を掛け、そこに安静時の心拍数を足した数字が、最も脂肪燃焼効率が高い心拍数とされています。ダッシュなどをして心拍数を上げ過ぎると心肺機能や持久力の向上には良いのですが、脂肪燃焼効率は低下します。逆に心拍数が低過ぎる場合も、脂肪燃焼に適した状態とはいえません。現在は心拍数が計測できるタイプのランニングウォッチが数多く売られていますので、これらで心拍数を計りながらウォーキングやランニングを行うと、効率良く脂肪燃焼を目指すことができるでしょう。

 心拍数を計測する機器がない場合は、「ややきつい」「息が少し切れる」程度の強度を目安として下さい。
この主観的尺度のことを「ボルグスケール」と言いますが、

「人と話ができるかできないか」

が脂肪燃焼が効率良く行われる状態と言われています。

肩で呼吸をしたり、とても話せないくらいの強度では心拍数が高すぎます。
逆に、余裕でおしゃべりをしながら運動している状態は心拍数が低過ぎる状態です。

その良い塩梅の強度を保って有酸素運動を行うことで脂肪燃焼においては極めて効率的だといえるのです。